この記事は２回の連載でお送りします。

この１年、育児休暇でサロンをお休みしている間も、しばしばお問合せをいただいていました。
昨年夏、ご相談のメールを下さったＳ様も、その一人です。
青森県にお住まいでしたので、近くのサロンをご紹介しましたが、私のブログを見て 「どうしても岡野さんに肌をみてもらいたい」 と言って下さり、特別に予約を受けることにしたのです。
休業中で予約をお待ちいただいている他のお客様には心苦しかったのですが、幼少の頃からとても肌に悩んでおられ、わざわざ静岡まで来て下さるというのを、とてもお断りすることは出来ませんでした。
３ヶ月の赤ん坊を主人に任せ、たっぷり３時間半、カウンセリングを行いました。

子供の頃から、左側鼻筋～目の周りにかけて色素沈着が現れてきたというＳ様。
年齢と共に徐々に濃くなり、範囲も広がっているそうです。
初めてお逢いした時、長い髪で顔の左側を隠すようにされていました。
大きな悩みや不安を抱えながら多感な時期を過ごしてこられたのかと思うと、私の右頬にあったシミなどこれっぽっちの事で、大した悩みではないと感じます。

色素沈着は顔だけでなく首や身体にも散発して見られることから、単なる紫外線によるシミではなく、先天的なメラノサイト異常による母斑（あざ）の一種ではないかと考えられました。
先天的というのは、生まれた時すでにその形質や性質が個体に備わっていることを意味します。
先天的が必ずしも遺伝的とは限らず、また、生まれた時に顕著な特徴としてそれを持っているとは限らないため、環境などの影響を受けて、成長と共に出現してくる場合も少なくありません。

このように、過去のカウンセリングで同様の事例がなく、判断に迷った場合、私は 「わかりません」 「難しいかもしれません」 と正直にお話します。
「大丈夫です」 と言っておきながら全く結果が出ないことの方が、お客様に対してよほど無責任だからです。

Ｓ様には、
・肌再生を行っても、色素沈着が絶対に薄くなるというお約束は出来ないこと
・肌内部の画像からは表皮層にもメラニン色素の存在が確認できるため、今より薄く出来る可能性はゼロではないこと（詳しくは連載２の記事で説明します）
・色素沈着が薄くなったとしても、もともとのメラノサイト異常によりメラニン色素が作られやすいため、再発の可能性もあること
をお話しました。
それを承知の上で、やってみたいという強いご意向もあり、プログラムをスタートしていただくことになりました。

１クール終了し、ここまで色素沈着が薄くなりました。
右側は３ヶ月間の肌再生を終えた後の写真です。
自宅で撮影していただいたため、左側の写真とは顔の角度や色みが少し異なっていますが、
それを差し引いて見ても、かなり改善されたことが分かります。

色素沈着は完全に消えたわけではありませんが、輪郭がぼやけて色素自体が薄くなっています。
目の周りの色素沈着が薄くなると、お顔全体が明るく見えますね。
お肌に透明感やみずみずしさも感じられて、とても綺麗です。
肌再生のピークでは、赤みなどの好転反応が出ていましたが、ＬＩＮＥでお肌の様子をやり取りしながら順調にお手入れを進めて下さいました。

以前は、コンシーラーとファンデーションをしっかり塗っても、色素沈着が透けて見えていたそうです。
今は、コンシーラーの量もかなり減り、お化粧をすればほとんど目立たなくなると大変喜んで下さっています。
現在のところ、再発も見られません。
Ｓ様とはしばらくお逢いしていませんが、好きな髪型やメイクを楽しまれていることでしょう。
「よかったです、岡野さんのところへ行って本当によかったです（泣）」 とメッセージをいただいた時、
‟ 肌が変わると人生が変わる” 　改めてそう感じました。
Ｓ様は、更なる改善を目指して、現在２クール目を頑張っています。
 
 

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